「茶色の朝」
大月書店 (2003.12)
通常24時間以内に発送します。
「茶色の犬じゃなかった/ただそれだけさ」
茶色以外のペットが禁止された社会。語り部である俺は猫を、友人のシャルリーは犬を。処分しなければならなくなる。そのうち、日常のあらゆるものが茶色であることを義務づけられる。茶色新報、茶色の飲み物…。俺は、かすかな違和を感じながらも、その生活になじんでしまう。
そして、ある日「茶色でないために罰せられる」日が訪れる。反抗すべきだったんだろうかと反問する俺は、しかしこうつぶやく。
「政府の動きはすばやかったし、/俺には仕事があるし/毎日やらなきゃいけないこまごまとしたことも多い。/他の人たちだって/ごたごたはごめんだから/おとなしくしているんじゃないか?」
ヴィンセント・ギャロの絵と聞いていたので、もっと個人的な物語かと思っていましたが、全体主義に対する寓話なのですね。「毎日やらなきゃいけないこまごまとしたことも多い」という一文は、人間が思考停止に向かう瞬間をうまく表現していると思います。
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» 「茶色の朝」 フランク・パヴロフ ★★★★★ [本と私と月のあとさき]
たった11ページで語られるおはなし。
著者はフランスで1ユーロ(150円もしないくらい?)で儲けなしで国民に伝えた願いとメッセージ。
いろいろな考え方を知らないので、トラックバックさせていただきます。
<内容>
俺とシャーリーはビストロでどうでもいい話をしていた。
シャーリーが犬を安楽死させなければならないという話には驚いたが、
15年も生きていたなら、と思いながら理由を聞いた。
「茶色じゃなかったから」
「猫と同じ理由か」
俺は自分の飼っていた猫を思い出す。
白と黒だったか... [続きを読む]
受信: 2007年6月23日 (土) 01時12分


コメント
こんにちは はじめまして
この本、TBをさせていただきたいと思ったのですが、どうもうまくいきませんでしたので、コメントだけさせてください。
他の人とごたごたするのはいやで、この日常の生活をつつがなく暮らしていきたいと、私も思います。年齢を重ねるごとに、そういった気持ちが強くなっていくとき、この本に出会って、ちょっとだけ振り返ることができたのは、うれしかったです。
投稿 ぱいぽ | 2007年3月18日 (日) 16時31分
コメントありがとうございます。
淡々とした語りが魅力の本でしたね。
私も大学時代はうざいくらい主義主張を口にする人間だったのですが、社会人になってから生活に追われて、今度はあまりものを考えなくなってきたように思います。
かつてのような子供っぽい宣言ではなく、現実に即した対応をとれる大人に成長したいな、と思います。
「パスワード」シリーズ、思った以上に面白いですね。
絵がいかにもってかんじなところも含めて魅力的と思いました。
今度から中学生なんですよねえ…。
投稿 いけだ | 2007年3月21日 (水) 20時59分
はじめまして。
この本を手にとって、他の人の考え方も気になって、
TBさせていただきました。
ヴィンセント・ギャロに惹かれて買った私ですが、
そうでもしないと日本では売れないと思われたのでしょうか、
悲しいです。
投稿 yui-520 | 2007年6月23日 (土) 01時15分
ヴィンセント・ギャロってことで映画のコーナーにおいている書店もありましたね(笑)。
個人的には「そうでもしないと売れないのではなく、そうすることでより売れるようになった」と解釈しているので、ギャロの絵だったことに関しては「グッジョブ!フランス人」という感じに受けとめていました。
全体主義や管理社会というのは、実はそれを受けいれてしまう「管理される側」に改善すべき部分がある、というのはもっと議論されてもいいはずですね…。大衆の依存心がナショナリズムや監視社会を生むというのはあまり意識されていない気がします。
投稿 いけだ@管理人 | 2007年6月27日 (水) 21時44分