« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月31日 (水)

「はんぴらり!」

 おばあちゃんの家に居着いていた半人前の神様の鈴音丸が、お人好しの武君と一緒に成長していくお話です。

 児童文学の主人公の基本に「友達になりたいと思える人物であるかどうか」(もちろん例外あり)があるのかと思うのですが、そういう意味ではいい本なのでは。ただし同世代の男の子が鈴音丸と友達になりたいと思うかはちょっと謎。というかイラッとくるのか共感するのかが想像つかない。しかも武もやたらいい子だし。でも女の子だったらかなりの確率ではまりそうです。2巻の帯は「鈴音丸かわいーと大評判!」だし。

 それにしても印象に残るのは、鈴音丸の涙を溜めるためにあるようなでかい目です。ジャケと中身のはまり具合がはんぱない…!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月27日 (土)

「あのひととここだけのおしゃべり」

 よしながふみの対談集!

 ええと、感想後でじっくり書きたいので、とりあえずの細切れ感想。

・羽海野チカの良さがわかった! 仕事に対する誠実さかー。(でもどこか物足りないと思う気持ちは変わらず…。それは自分で答えを見つけるしかないか)

・こだか和麻との対談が面白い。どこに行っても社会性は必要なのねという話がイイ。福満しげゆきの「僕の小規模な生活」を読むとよりわかりやすいな…。

・「西洋骨董洋菓子店」の最初、時間軸が飛ぶところを理解できない読者がいたっていうのにびっくり。そりゃあそういう人たちにいきなり24年組は読めないわなー。

 でも私も中学生くらいの頃、24年組のマンガの物語全然理解してなかったもんなあ。ただ、セリフがすごくおしゃれとか、なんだかアヤしくて刺激的なことが描いてあるとか、なんか相当かなしいことが起こってるらしいとか、表紙のデザインがかっこいいとか、そういうところを見てたんだよねー。それで、10年くらいあとに読み返して「あ、こういう話だったんだ…」と思うという。今思うとみんな「お姉さんたちがいけないことを教えてくれる」マンガだったな。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月14日 (日)

性別なんて関係ないのさ

 うちの弟(次男)の名ゼリフ。

私「あのさー、よくアニメ版ベルばらを称して、オスカルが男に都合のよい女性になってるのがイヤって言う人いるけど、原作だってルイ16世のあの女にとっての都合の良さはすさまじいよね。だってダンナが“自分を愛してくれるがゆえに不倫もとがめないでいてくれて、しかも経済的には安定を保証してくれて、子供も愛しているヨー”ってどんだけファンタジーなんだかっていう」

弟(次男)「や、あれはね、男も女も相手に求めるものは同じってことでしょ。優しくて、自分を責めないでいてくれて、経済的に安定していていつまでも待っていてくれるって。性別に関係なく異性に求める欲望は一緒ってとこが面白いんじゃない?」

 おまえいいこと言うな! そうだねエゴに性別は関係ないよね!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プレスコはいいよね

 弟(長男)がプレスコ収録方法の一部が特典映像に入っているというので、わざわざREDGARDENのDVDを借りてきました。プレスコは音を入れてから画を作るという今のアニメには珍しい収録方法です。
 収録って通常映像流しながら声を入れるんだと思うけど、REDGARDENでは絵コンテ状態の画面を見ながら声優が声を当てていたようです。声優が画面にいるのはどのキャラかを理解できるように、人物には色が塗ってあるけど、それ以上は何の絵も入れてない。作画チームは声優の演技を聞いて絵を作る。
 すごくお金がかかるのであまりできない方法らしいですが、REDGARDENではそれが上手く作品に生かされていたようでした。アニメ的デフォルメでない、人種の描き分けにもこだわったデザインとアニメ的でない演技がハマってた。

 しかし作中もっともプレスコの恩恵を受けたのはエルヴェこと子安武人かと。エルヴェは超がつくシスコンで、妹を思うあまり清純な美少女を騙して、ぶん殴ったり蹴っ飛ばしたりするわ、独断で突っ走って一族全滅させちゃうわというすごくあぶねーキャラだったんですが、こいつの表情が絶妙。

 皮肉な表情というあまりアニメでは見ない顔をするのですよ。今思うとあれは子安の演技にあわせてたのか。デザインが金髪碧眼白ジャケットという絵に描いたような美形なのもよかった。

 ギャグマンガ日和もプレスコらしいんですが、あれ、普通の収録だったらもっとつまらなかったのかなあ?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

戦後の香りを初体験

 鯨カツ(200円)と鮫フライ(150円)を買ってきました。

 鮫フライはせんべいみたいに薄くのばしてあって、鮫の特徴があまり感じられないつくりに。厚みのない白身魚のフライとして、物足りないけれどさくさく食べることができたのですが、問題は鯨カツ。

 トラウマになるほどまずい…。食感は厚めのレバカツに近く、口に入れた瞬間はふうん「獣味か」くらいにしか感じられないのですが、鼻ににおいが抜けていく瞬間の悪臭が!

 なんだか普段まずいものしか食べていない肉食獣の血を煮詰めて、そのへんの土を足したような臭いがします。

 こっ、これは廃れるハズだ~としみじみ実感しました。牛乳クチにつっこまなきゃやってらんないよ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 9日 (火)

「はらぺこねこ」「ジャイアント・ジャム・サンド」

「はらぺこねこ」

 すさまじく大喰らいの猫が飼い主の百姓やら通りすがりの動物やらを次々に食べてしまう…。発想自体にはさほど驚かなかったけど、熊だの太陽だのありえないような巨大なものまで食べてしまうというスケールのでかさには驚きました。スズキコージの絵がいっぱい食べて体のふくらんだ猫をむくむく描いていて迫力あり。でも、太陽にすら勝ってしまった猫を倒すのが○○というのはなぜ。北欧神話だから?

「ジャイアント・ジャム・サンド」

街にある日大量の蜂がやってきた。やりたい放題の蜂のためにゆっくり歩くこともできない人々は、あることを思いつく。タイトルとここまでの解説でオチは見えると思いますが。蜂退治の場面のシュールな絵のおかしさが魅力的。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月 8日 (月)

脚本会議ありかなしか

 「地球へ…」アニメ放映初期に、スタッフが繰り返しアツイ脚本会議を重ねているという話を聞きました。そこから私がイメージしたのは、「攻殻機動隊SAC」「精霊の守り人」の監督をつとめた神山健治が採用しているという“脚本合宿”でした。
 
 「精霊の守り人」のNHKBSでの放送に合わせ、「にんげんドキュメント」で、神山監督の製作現場に密着し、具体的なディスカッションの内容も含めて放送したことがあり、脚本合宿はその中で行われていた脚本の作成方法です。複数名の脚本スタッフと繰り返し言葉を重ねて、10時間以上も会議を重ねながら綿密に物語を構築していく様が面白く、「なるほどアニメのお話作りにはこんな方法があるのか」と感心したモノでした。

 さて、この番組、みながら「おっ?」と思った瞬間がありました。
 ある脚本家が「主人公バルサが、一瞬弱さや迷いを見せる場面を作りたい」という提案をして、現場のほかの脚本スタッフはそれにノッたんです。「あ、そういう場面あっても面白いよね」と。

 ところが、監督が「いや、もう一度考えてみて。本当にそれでいいのか?」と問いかけ直したんです。

 そして、最終的にこの迷いを見せる場面はカットされ、むしろあっさり苦労を引き受けるバルサのたくましさが前に出るエピソードに書き換えられていました。

 その後、オトナアニメvol4の監督インタビューで、「脚本会議をすると言っても最終的に決定するのはボクですから」というようなことをおっしゃっていて、「なるほど。複数人で作る場合には最終的にストーリーを統一されるための権限者が必要なのか」と思ったのでした。
 
  で、この間弟に教えてもらったのが、アニメスタイルに載っていた本読み(脚本会議)に関しての意見。シナリオえーだば創作術(首藤剛志)より

 http://www.style.fm/as/05_column/shudo89.shtml

 脚本は流れがあるから、言われた部分を直せば、全体が変わってくる。
 意見や注文をつける人達も、脚本全体から見てそれを言っているのかどうか分からない時がある。
 もしかしたらその場の思いつきの時もあるのだ。
 そんな意見や注文に、脚本が左右されるのは困りものである。

 http://www.style.fm/as/05_column/shudo91.shtml
 
 読みに参加するスタッフが、それぞれ原作を読んで、それぞれのイメージを頭に描いている。
 それぞれのイメージと違う事が脚本に書いてあれば、それぞれの意見や注文が飛び交うのは当然である。
 それを避ける手はひとつだけだ。
 原作どおりに脚本を書くことである。
 脚本に対して文句が出ても、「原作はこうなっていますから……そのとおりにしました」で、逃げる事ができる。

 「地球へ…」の脚本会議は、察するにまさにアニメスタイルに書かれたとおりの状態だったんでしょうね。
 アニメーションノートのインタビューで、ヤマサキ監督がコンセプトデザインの出渕氏の発想力に対して、「すばらしいですよね」と評していて、それ見た本編の微妙な出来に異論があった私は「監督がスタッフを太鼓持ちはまずいんでないの」と思ってたんですが、監督にはきっとあちゃこっちゃから出てくるアイディアを作品を完成させるために取捨選択する力がなかったんだろうなあと。脚本家の方の仕事内容を見る限りでは、監督の方が業界内の実績はなさそうだったし。
 
 地球の座標がわからないっていうのは出渕氏のアイディアらしいですが、その設定本編にまったく活かされてませんでしたし。思いつきですよね、きっと…。

 高名なアニメ監督って「仕事場ではむっちゃくちゃエゴイスト」だって聞くことが多いけど、(宮崎富野出﨑とか)アニメ制作という厳しい現場で一つの作品を作り上げるには、ある種のエゴを貫き通せる人でなくてはいけないのかもしれませんねー。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ピンポン」

 松本大洋のピンポンに、努力の天才だけど、どうやっても絶対本物の天才にかなわない、佐久間ことアクマというあだ名の卓球選手が出てきます。

 アクマは天才少年スマイルに完敗し、自暴自棄になって暴力事件を起こして退部してしまいます。そんなアクマを、顧問の先生が「あいつの部屋に貼ってある円谷幸吉のポスターを俺は笑えない」という風に表現するシーンがあり、これがすごく巧妙なセリフだなーと思いました。

 だって、円谷幸吉のポスター貼ってるスポーツ選手なんてどう考えたって笑うとこじゃあ。「え、それはどう反応すればいいの?」って読み手に思わせといて、「笑えない」って言わせるところがアクマのこっけいさとものがなしさを表していていいなと思います。

 そして顧問の先生は、才能のなさを努力で乗りこえようとしたアクマのことを「ホントかわいくてしょうがなかったよ」という。

 たとえどうしようもないこと、超えられないことがあったとしても、それを理解してくれる人がいるっていいですよね。松本大洋は優しくていいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »