「怪人オヨヨ大統領」
スラップスティックなんだということはハーポとチコというかのマルクス兄弟から採った名前からもわかるわけですが。
極端な行動の登場人物に似合わぬ淡々とした語り口が奇妙な味わいをかもしていて印象的でした。
例えば、タクシーの運転手が、高速道路でまえの車の上をとびこえるという場面。
「ですから、車だって、まえの車のうしろにくっついて走るんじゃなくて、上をとびこえればいいわけですよ。一つだけじゃなくて、ぴょん、ぴょん、こえれば早く進めるんです」
「そういうことが可能ならばな」
「可能だから、言ってるんです。……やってみましょうか」
あたしたちののった車は、いきなり、まえを走る外車によじ登って、すべりおりた。
「なにをする!」という声がうしろで聞こえた。
「これで、羽田まで行けば、意外に、早く着くわけですよ」
「きみは天才だ!」
グルニヨンが叫ぶ。
「そう、ぼくは天才!天才なんだ!」
青年は目をギラギラさせて、両手をあげた。アブナいひとだ。
文字で落語を読んでいるような感じでした。小林まことがマンガ化したら面白いかも。佐々木マキの挿絵が面白い。描線のへろへろした感じに似合わないシャープな感じがいいですね。
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