ネタバレを含みます!
これまで、私はルワンダ大虐殺について、2行でまとめられる程度の知識しか持っていませんでした。
「アフリカで大虐殺があった。フツ族がツチ族を虐殺した」
しかし、映画「ホテル・ルワンダ」観て、そのあまりにも不条理で壮絶な悲劇に、呆然としてしまいました。
・ナタを持った民兵たちによって、100万人の人間が老若男女問わず殺された。
・西側諸国は、ルワンダのツチ族を救うことに利益がないと考えて、停戦の努力を行わず、自国民だけを回収して撤退してしまった。
・しかし、その虐殺の火種、つまり彼等がお互いを憎みあうようになったその歴史的原因は西側諸国が作りだしたものである。
そんなことがあっていいのか? と思うようなことがつい12年前に起こっていたというショック。そして、そのことに無関心だった自分。いろいろなことが衝撃でした。
映画の中で、西側から来たTV局のカメラマンが、虐殺のニュースが流れれば、世界が私たちを救いに来てくれると言う主人公に対してこう言います。
「彼等はニュースを見て言うだろう
-怖いね-
と。そしてディナーの手を止めない」
ああ、それは私のことですよ、まさに。
映画は、虐殺のさなかに、自ら管理するホテルに1200人の難民を匿ったポール・ルセサバギナという男性の実話を元にした物語です。混乱のさなかにあってきぜんと自らの職務を遂行し、家族を守りきった彼の姿が胸を打ちます。
相当重たいテーマで、しかも実話が基になっているのに、映画として実に面白く作られていてそのことにも感動しました。映画の後半に、こんな挿話があります。
ツチ族の女性がフツ族に襲われているさまを見たポールは、ツチ族である妻に、「もし民兵がホテルを襲撃してきたら子供たちと一緒に屋上から飛び降りて欲しい」と言います。
それからしばらくして、賄賂もつきたポールは「私が死ねばあなたは戦犯になる。あなたの無実を証明できるのは私だけだ」と主張し、それまで懇意にしていた軍人を脅すことで家族の命を守らせるようにし向けます。
ホテルから離れた地域にいた軍人とポールが戻ったその時、ホテルは襲撃のさなかでした。
妻子を探し、半狂乱になるポール。妻は自分の言葉に従い、すでに飛び降りてしまったのだろうか? しかし、屋上から見渡す限り、妻子の死体は見あたりません。探し尽くしたか? と感じた瞬間、ひいた浴槽のカーテンの向こうに、妻子と友人たちがいました。妻は、シャワーヘッドをまるで銃のように構えて。
ホッとしたポールは、妻の手と、シャワーヘッドを握り言います。
「これで何を」
思わず、ポールたちにも、観客席にも笑いが起きました。
これだけの惨劇を2時間弱の上映時間で観客に理解させ、映画として退屈させないその能力がほんとうに素晴らしいと思いました。
↓公式サイトから。というわけで私の文章にも族という表現を採用してみましたが…。方針が変わったら変えるかも。
■おことわり■
「~族」という呼称は、差別を連想させるものとして、現在公式の場では使用されておりませんが、本作では話をわかりやすくするためにあえて使用しております。ご理解いただきますようお願い申し上げます。
・公式サイト
http://www.hotelrwanda.jp/index.html
・「ホテルルワンダ」日本公開を応援する会
http://rwanda.hp.infoseek.co.jp/index.html
ルワンダの歴史や、ルセサバギナさん来日の様子から、「身近なポール、見つけました」といった柔軟性のある記事まで。勉強になりました。
アメリカと映画に強いコラムニスト町山智浩さんのホームページ
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/
歴史に対してどう向き合うか、その上で個人としてどう向き合うかを考えたい方は、同じ町山さんのこちらの日記を見て下さい。議論が紛糾してます。(なんかわれながら抽象的だな)
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060225
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